ConFIA BLOG

黒船と生成AI ―― 驚きっぱなしで終わらないために

打合せ帰りにそんな話をすると、みんな一斉にうなずく。
新しいテクノロジーの衝撃は理解している。
けれど最初の一歩が妙に重い。怠けているわけではない。
答えがまだ見えず、何から手を付ければいいのか戸惑うのだ。

動いた者だけが次の時代を創る
時は1853年、浦賀沖に黒船が現れた。
日本中が驚いたが、ただ見上げて終わらなかった。
吉田松陰は「追い払うより技術を盗めばいい」と蒸気船の設計図を書き殴り、
勝海舟は砲艦の威力を肌で感じ「同じ力を自国の盾に」と近代海軍を立ち上げた。
福沢諭吉は「学びを広げねば日本は沈む」と啓蒙書を書き続け、
高杉晋作は圧倒的スピードを見て「身分では守れない」と庶民主体の奇兵隊を組んだ。
渋沢栄一は資本の差に震え、「金の流れを近代化せねば」と銀行と株式会社を導入した。
同じ黒船を見ても五人五様。だからこそ彼らは歴史に名を刻んだ。
――2020年代の黒船は生成AI。文章生成、コード作成、翻訳、要約が一瞬。
ホワイトカラーの仕事を根底から揺さぶる波が押し寄せている。
さて、どう動くか。

手元に落とせば、日々の余白が加速度的に広がる
スマホのホーム画面を整理する感覚で仕事を並べ替える。
毎日の単純作業──メール仕分け、議事録要約、レポート作成──をAIに任せる。
5分かかっていた作業が1分で済み、誤字もほぼゼロ。
その効果を数字で確かめる。
次は週1の資料作成や月末の集計など、少し重い仕事へ範囲を広げる。
3か月試した成果をまとめ、チームで共有し「活用する価値がある」という共通認識をつくる。
〈小さく試す → 効果を測る → 広げる〉を止めずに回し続ける。
このサイクルこそ変化の荒波を乗りこなす近道だと確信する。

走り続ける脚にだけ、成長の風が吹く
生成AIは日単位で進化する。
今日の勝ちパターンは明日には古びるかもしれない。
だから考え込むより、動きながら学ぶほうが合理的だ。
幕末の志士たちが示したとおり、「まずやってみる」ことでしか見えない景色がある。
このコラムでも生成AIの活用方法や導入事例を不定期で届けるつもりだ。
堅苦しい文章だけでなく、動画やAI生成の作品も発信していく。試して詰まった話、
思いついた使い方、何でも聞かせてほしい。
次の航路図をともに描き、黒船級のインパクトを自分たちの成長エンジンに変えていこう。